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人物地名全般設定名前 / 生名 / 真名
name / birth name / true name
その者の出生時に命名された名を生名、生名以外に付け足されたもの等を含めた正確かつ欠けのない名を真名と呼ぶ。
正確な名前を知られることは、魂の在り処・有り様を知られるのに等しく、精霊や霊的異能者にとっては致命的なことである。
式士や魔術士は基本的に生名を明かすはことなく、また、様々な機に新しく名を加えるのが一般的。命名すれば良いというわけではなく、少なくとも本人が自身を指す名だという認識を定着させる期間が必要。他者からも呼ばれるのが確実だが、秘匿したい場合は日記等に習慣的に記名したり、思考中に自身をその名で表したりする。
また式士は契約時に、精霊と人間が互いに正確な名前を開示し合うが、契約が二つ以上ある場合は個々の契約で一部分のみ違う名にすることも多い。
月陽
Sun / Moon
正中前後は白光を放つが、地平に近づくほど金色になる。太陽はその傾向が顕著で、朝夕は空全体を金色に照らす。コクレアニムでの夕焼けが赤くなることはない。月は比較的黄みを帯びたのが常態。
常に一定の周期で周回し、月の外観が欠けることはない。概ね半球をなす天蓋の中央を通るため、観測位置によって見える方角が変わり、霊的な影響力も異なる。黄道直下にある東大陸は、他の地域に比べ霊的に豊かで精霊・生物ともに生育に良い効果がある上、土地も肥沃な傾向がある。また、太陽は放熱、月は冷却を行っているため、地域の平均気温に影響する。
月陽の機能は緩やかな強弱の周期があり、一方が強まる時期は他方が弱まる。光量、放熱・冷却力、霊的機能がそれぞれ増減する。太陽の最も強まる時期を基準に、その一巡を気候的な一年とする。これは必ずしも一定ではないため、徐々に暦とのずれが発生する。数年から十年程度でひと月ほどのずれに達した場合、閏月が設けられる。
太陽の最も強い時期が夏、弱い時期が冬でそれぞれ三ヶ月程度。月は太陽に応じた大きな周期よりも、年あたり二十前後発生する小刻みな周期の方が外観上観測しやすいため、その最も強い時期を満月、弱い時期を燥月と呼ぶ。また、月陽ともに年周期よりも長大かつ不定の周期があり、冬の太陽や燥月よりも格段に機能が弱まり、ほぼ無に近くなる現象がある。数時間から一日程度、数年から数十年に一度発生し、蝕と呼ばれる。
〈土竜穴〉
the Mole Hole
ノールズ
Knolles
アディーネル家から百五十年ほど前に分籍した家系。先に分かれたグレン家があったがそちらは後年断絶した。〈淀み〉を形成し〈門〉の機構に関わる精霊の契約者。契約の根幹は当主にあるが、ノールズの中核を成す者は各々個別の契約が可能。
アディーネルにとっての竜のように、精霊の宿る大樹を象徴としている。
アディーネル家に従属する立場ではなく、共に〈門〉を維持し、時にはアディーネルの逸脱を抑止する立場として同格とされている。
アディーネルの鍵守や継承候補者には、それぞれノールズの人間が補佐につくのが通例。鍵守の補佐役を連枝と呼ぶ。