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人物地名全般設定魔術
sorcery
生物が肉体に魂を保持するための引力である「魔力」を意識的に操作し、魂や霊気に干渉する術。使用者を魔術士と呼ぶ。
使用に際しては式ほど体系付けられた手順がなく、天性の能力によるところが大きい。
また、精霊も含めた命あるものの生命自体に作用する術であるため、式士であっても忌避感を持つ者もおり、一般人にとってはほとんど馴染みがない。
式を扱う上でも、式門の開閉や精霊の制御のために、魔術の初歩的な技能が必要になる。一部の式士はより高等な魔術も修める場合がある。
魔力により自身の魂、周囲の霊気、他者の魂に干渉可能な他、無生物に魔力や霊気を籠めることもできる。後になるほど難易度が高い。
専門職としての魔術士は、東大陸のほとんどの土地で非常に数が少ないため、双門同盟のように魔術士全般を統制する組織はない。魔術士の最大勢力は帷垂の一派。ただし魔術士としてよりも、帷垂人として結束した集団である。その他の多くは個人で活動するか、双門同盟の専門部署に所属している。
双門同盟
the Bipartite-Gate Union
そのため各地に設置された支部による統制が布かれ、各事業の遂行経緯や会計等は基本的に公開されている。しかしいずれの事業も一般人には直接的に関係しないものが多く、個別事案の持ち込み依頼も高額であるため、得体の知れない組織と認識されやすく、風評も多い。
俗称の『式士ギルド』は彼らの営利性に注目した、揶揄や批判を含んだ呼び名。また、〈竜の頤〉や〈淀み〉に所属し鍵守に接触する機会のある式士は、少なからず軽侮の意味を持つ〈卑竜の巣〉という渾名を用いることがある。
式士は個々人の能力特性により、専門的な任務を負う者から事業計画担当などまで配属が分かれる。同盟構成員は式士の他、霊的技能を持たない事務員や、武力を補うための戦闘員、各分野の研究職なども含まれる。
式士の管理については、登録された正規式士の管理、未登録式士の取り締まり、式士の育成や指導者への仲介も行う。式士を志すにあたって特別な制限はなく、双門同盟式士の二割程度は式士と無関係の出自。
『双門』は南北の〈門〉を指しており、同盟の長はそれぞれの鍵守。
所属する式士に対しては独自の規律が適用され、ごく一部、条件を満たせば当地の司法権を超えて内部で裁定が下る場合がある。
これは長である鍵守が〈門〉を擁する国の王から信託されているという体裁をとっている、あるいは鍵守自身が帝位にあるため。
〈門〉の権威の及ばない地域では、こうした特例的な裁量権や双門同盟の地位が比例して弱まる。
式士
chorder
式という技術の端緒には作為があったが、現在ではこの世界の自然現象に組み込まれているため、能力として身につければ登録をしなくとも式という能力の行使自体は可能。
アルデリシアと周辺国では、双門同盟所属の合法的な式士を〈竜〉、未登録の非合法式士を〈蛇〉と呼ぶ。ただし〈竜の頤〉等、本物の竜であるハイリルカの身近に所属する式士は、一般の同盟式士を〈竜〉と呼ぶことを嫌い〈卑竜〉と呼び替えることがある。
〈竜〉には個々を識別する10~11桁の登録番号が与えられ、所属を表明したり、名乗りの代替としたりするのに用いる。また、緊急時を除き式の行使の前には番号を宣言しなければならない。番号は前から順に【国・区・地域・所属門派・契約順位】を表し、【0101010011】の場合は【01・01・01・001・1】に分割される。国番号は他国籍者が不在の状況では省略可能。移住や門派からの離脱をしても番号は変更されない。末尾は当該式士にとって何番目の契約かを表し、仮に10以上の契約を維持していれば二桁になるが、事例としては稀。複数の番号を持つ場合、式の行使に際しては呼び出す精霊に対応した番号の宣言をするが、自身の身分を表す際にはどの番号を用いても良い。ただしほとんどの式士は契約が一つのみで、末尾2以上はそれだけで能力の高さを示せるため、複数番号の保有者は末尾が最も大きいものを好んで使う傾向がある。
式
chord
旋界側の精霊と縁界側の生物、一対による契約が必要。生物が人間である必要はないが、契約には互いの真名を共有しなければならないため、知能の必要性があり実質的に人間に限られる。
複数の相手と契約することも可能。契約を持つ者を式士と呼び、一般的には人間側の職種名として使われる。人間の式士は体表に印が現れる。
本来は鍵守のみが持つ〈門〉を制御する能力を模したもので、鍵守の〈門〉の下部構造に当たる。式の契約やその行使は、全て〈門〉と鍵守に掌握されている。一般の式士は他者の式門に干渉できない。
式により縁界に呼ばれた精霊は、本来の魂の一部のみを渡界させている。ごく微小なものを除き、精霊は縁界の生物に比べ総じて巨大な魂を有しており、その全てを現すと縁界の霊的環境に悪影響を及ぼすため。ただし一部のみでは魂の維持が困難または不可能となるので、一時的な器となる肉体を形成し、人間側が精霊の魂と器を繋ぐ魔力を供給する。
精霊の作る器ではなく、人間の肉体を器として提供することも可能。魔力供給は効率的になるが、長時間憑依を続けたり制御を誤ったりすると、精霊の魂と人間の肉体が癒合し金眼となる。
式以外の方法で界を渡ることはできないという構造上、全く未知の精霊と契約することは不可能。師事した式士などの精霊に仲介を依頼するのが一般的。
『セス』
Seth
一人目はごく初期のセス-ヴィリ。彼自身は故事に由来する名として命名されている。武勲への関心が高かっため、早々に継承権を放棄し〈淀み〉を出て国王軍に赴いており、式士としての記録はほとんどない。
二人目は〈無銘のセス〉。彼の年の離れた実弟ジェイルは、霊的能力に抜きん出ていたものの全盲者だった。弟のために鍵守と家督の任を分け、自身は家督として弟の補助に尽力し、ジェイルの夭折後も鍵守の任を固辞した。
三人目はセス・ノールズ。ノールズ家分籍時の初代当主となったため、鍵守にはならなかった。
四人目が登場人物であるセス。出奔した時点で、先例を引き合いに彼も鍵にはなれないとの揶揄が飛んだ。
サイラス・アディーネル
Silas Addeanel
穏和な性格で声を荒らげることはないが、鍵守としては強い決定を通す際に相応の冷厳さを示すこともある。
セスが生まれる以前から鍵守であったため、鍵守の慣例によりセスからも常に『マギ』と呼ばれ、父と呼ばれたことがなかった。
魔力
vim
生物が肉体に魂を保持するための引力。肉体に依拠する力であり、霊的生命体は魔力を持たない。常時生産・消費され、そのサイクルやバランスは生物により異なる。人間の場合、睡眠中は魂が瓦解しない程度に出力が弱まり、生産量を補う。
出力強度は基本的に生得のものだが、魔力の制御は訓練によって修得できる。