glossary
泥の町の人(ルト)

Luto

〈沼地〉の住人の通称。住人同士、或いは〈沼地〉と近い関係にある地域の人間が呼ぶ場合は、やや乱暴ながら親しみを表す。しかし無関係の部外者が使った場合、かなり強い侮辱を含んだ蔑称となる。
アルデリシアの他地域に比べ、王国共通語以外の地方言語を持たない、またはあえて使用しない者が多い。

〈沼地〉

the Morass

アルデリシア南東部にある山脈西側の一帯に広がる、霊的に枯渇した地域。
双門直後に邪精イゼアと〈沼の魔女〉が共謀し、当地の生命体から魔力を吸い上げて死滅させ、以後〈沼の魔女〉の住処となった。踏み入った者は〈魔女〉の強大な魔力により魂を吸収されるため、長い間禁足地となっていたが、百年程前に〈魔女〉の消失が確認された。八十年程前から居住地としての整地計画が進められ、現在は一般人の移住が始まって二十年ほど経過しており、差別的な表現を排除する意味で正式には『再開拓地域』と呼ばれる。
この地域の住人を泥の町の人(ルト)と呼ぶ。

霊脈

ether vein

一定以上の質量を持つ精霊が土地に居着き、精霊のの渦が安定的に周辺に霊気を供給するようになったもの。
生物や弱い精霊の魂は霊脈の主の影響を受ける。また、魂=霊気は生物の生育にも関わるため、土地の豊かさを左右する場合があり、人間にとっては強すぎても弱すぎても悪影響となる。

神官 / 祭司

priest / cleric

精霊を神聖視し祀る聖職者。神殿所属で実際に精霊と関わる場合は神官、聖堂所属でより儀礼化した典礼を行う場合は祭司。式士魔術士と違い霊的技能を修める必要はなく、特に祭司の場合は宗教者の色合いが強い。
神官の間では、肩書ばかりの神官や現実に精霊と接することがない祭司を格下と見做す向きもある。
また神官も祭司も、精霊を神格化し崇める立場上、精霊と対等に交渉しようとする式士とは摩擦が起きやすい。

神殿 / 聖堂 / 礼拝堂

shrine / temple / house of worship

精霊を神聖視し祀るための施設は、必ずしも準じないが、条件により以下の呼び分けがなされる。
神殿は、実際にその土地に現存する精霊を祀り、人の生活圏に及ぶ霊的影響の監視・調整などを行う。神殿を持つ都市もあるが、基本的に人口の少ない土地に多く、人里から離れて孤立している場合もある。
聖堂は、過去または別の土地に存在する精霊を祀る信仰の場で、ほとんどの場合は天君ベルシウスを対象とする。精霊が身近に存在せず、特定の信仰を持つ者が少ない都市に多い。
礼拝堂は、神儀会の管理下になく神官や祭司が不在の、公衆のための礼拝施設。神殿や聖堂のある地域に併存しているものも、神職が置けない僻地に設けられたものもある。

夜止里

やどり

リリが知っている町の名を問われて答えた地名。帷垂内の地名で、帷垂人曰く『”帷垂”が最も美しく見える場所』。

転送便

teleporter

双門同盟が民間向けに提供している事業の一つ。
遠隔地へ即時から数日以内に書類や一定以下の大きさの荷を送ることができる。基本料金でも通常の郵便の十倍はかかる高額で、嵩・速度・距離が増すと金額が加算される。
同一の精霊と契約する複数の式士を各支部に置くことで各地を繋いでいる。転送便そのものには精霊側に利がないため、別途対価や強制など何らかの取引があると推測されているが、詳細は双門同盟内でも関係者にしか知らされていない。

創世主

the Creator

コクレアニムを創り出したもの。魂の分類としては後世での精霊にあたる。
明確な自意識がなく、何事も禁じることがない天真爛漫の存在で、自身の行いが世界に与える恩恵も不利益も全て放任していた。
後に天君の進言に従い、世界を三界という安定した枠組みの中に収め、自身は月陽となって霊気を注ぎながら見守ることとなったと言われているが、これは天君による事実の改竄である。
帷垂では『黄主(こうしゅ)』と呼ばれ尊ばれている。

天蓋

the canopy

コクレアニムの上空を覆う不可視の境界面。天蓋の向こうへ抜けることはできない。
仮説では、境界は二重の膜になっていて、陸地と空間的に繋がっている上空に一つ、薄い層を挟んでもう一つあり、月陽や星々は二枚の間を浮遊しているとされる。星の動きから概ね半球状であると考えられているが、実測が困難なため確証はない。
天君創門に際して造ったもので、それ以前の天空は観測上無限に広がり、異世界に通じていたと言われている。

スケイル / スライバー / チップ

scale / sliver / chip

アルデリシアの通貨単位。大きい順にスケイル、スライバー、チップ。1スケイル=2スライバー=10チップ。
発行されている紙幣は10・20・50スケイル、硬貨は1・5スケイル、1スライバー、1チップ。
都市部で成人単身者が借家で生活した場合、おおよそ5000スケイルで豊かでも貧しくもない程度の生活が可能。
旧来発行されてはいたが不安定だった統一貨幣について、リカルド王の主導で新王室が使用を浸透させる方策をとり、製造技術も発達したため、近年は貨幣への信用度が高い。