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人物地名全般設定ウィルバー・ノールズ
Wilbur Knolles
寡黙で表情が硬く厳格な雰囲気を醸しているが、若い時分とは別人のようだと評されている。
鍵竜に並び〈門〉の機構を支える大樹の精霊と契約しており、間界への式門を開ける限られた人物。
ヒューイ・ノールズ
Huey Knolles
アディーネルの分家ノールズの当主の長男で、セスの遠縁。姉が一人いる。
〈淀み〉から各地へ現場視察の名目で出向していた。式による通信などを介してセスに協力している。セスが王都付近にいた時期までは王都の双門同盟支部臨時顧問。その後は南下しながら各支部を回りつつ、〈穴〉の仲介者エルヴィア役も同時にこなしていた。
『エルヴィア』は本来ヒューイの姉が偽名で活動しているうちの一つで、実質的にはその名義を借りた状態だった。
将来的なセスの補佐として、姉を含めた三人で兄弟のように育っており、やや歳が離れたセスの極端な行動原理を兄のような視点から懸念している。
セスの〈淀み〉に対する批判に賛同し協力しているが、実際に意見を同じくしているからであり、セスを盲信しているわけではない。また、〈淀み〉の人間としての規律には基本的に従順で、かつセスほど硬直的ではない。
自らの判断や感情を適切に尊重する気質によるところであり、その根底に自信があるため、却って必要な規律にはよく従い、他人には寛容になるという向きがある。
自信家の悪癖としては、容姿の良さと社交性に惹かれてくる相手を全く拒まない女性好きであること、相容れないと判断した相手に対して辛辣であること。
セスがクリンケルド支部長に事態を報告するよう進言した『〇一二二〇八五二号の式士』はヒューイを指している。
セスが鍵守となった後は、彼の連枝を務めている。
アイザック・ゼファニア
Isaac Zephaniah
祖は建国以前に遡る古い式士の家系で、建国後も〈淀み〉や王都の主要勢力と距離を保ち一定の権勢を誇った時代もあったが、この百数十年で没落、近年では断絶を見込まれていた。
アイザックは生来非常に強い魔力を持ち、一族の期待の通りに実力派の式士となり、十代で〈淀み〉に招聘。しかし直後にゼファニア家は残り少ない成員同士の係争が起き、同士討ちで全滅した。
アイザックは本来魂が母体から子へ分け与えられるべきところ、それより早く精霊オージュの魂を与えられ、オージュが旋界で用いる肉体とするために生まれている。
〈淀み〉に渡るにあたり、母親を含めた誰とも繋がりを持たない魂の特徴を隠すため、残った一族の全員を殺害。〈淀み〉ではオージュの間者となり、セシリアの金眼化を始めとするオージュの所業に加担させられている。
アイザック個人の人格も併存しており、当人は人間として、式士として生きることを望んでいたため、オージュに対して積極的に従う意志はない。また、オージュの怒りを買わない範囲で抵抗を試みており、その結果がアシュトンらへの金眼の知識の提供、〈淀み〉で捕縛された後の自供等である。自供の際には、現在の世界の大前提である天君の定めや金眼の禁忌について、人々に忘れられた事実を指摘した。
同じように精霊によって金眼に作り変えられたノアや、人間としては異質な形の魂を持つセスについて、自身と共通する点がありながら自身には得られない独立した人格等を持っていることに羨望を抱く。
オージュが〈淀み〉に捕捉されたことで完全に器として用いられることとなり人格は消滅。セスらによりオージュとして討たれた。
ジル
Jill
両親と妹が一人いる。両親の経営する飲食店を手伝っている。
レオンが〈沼地〉の外へ行くことになる前は結婚の予定があった。一時的に保留となり、レオンには待たなくてもいいと言われているが、翻意するつもりは全くない。
ローズ・ケインズ
Rose Keynes
些事には頓着しないおおらかさで、穏やかなだけでなく胆力があり、子供たちが神霊由来と思われる異常に見舞われた当初も取り乱すことがなかった。
人として問題となる重大事でなければ、あまり子供を叱ることはしない。
現在は農業に従事しているが、読み書きだけでなく正確に出納帳をつけられる程度の算術ができる。ただしこれは素性の詮索に繋がるため〈沼地〉では隠しており、結果的に学習機会のなかったレオンやラルフが文盲となったのを内心悔いている。
レオンやメイヴィスの視覚異常についても実際には深く懸念しており、この地に移住した自分たち夫婦の責任を感じている。
移住の理由は夫婦以外の誰も知らない。
フィリップ・ケインズ
Philip Keynes
ローズと似た鷹揚な気質。また彼女同様〈沼地〉の平均を大きく上回る学識がありつつ、それを隠している。
賢しらな口を利くことを避け、相手に警戒心を抱かせないような話し方をするが、会話の要点を押さえてさりげなく舵の向きを変える目敏さがある。
子供たちのうちレオンが最も父親似で、顔立ちばかりでなくこうした性格も似通った点がある。
ただし生育環境から何かと諦観が勝つレオンに比べると、問題に際して必要な対処までを投げ出すことはない。また、ローズと異なり、〈沼地〉への移住は必要なものだったと考え、後悔はしていない。
その代償として妻子を守る意志は固く、メイヴィスの治療に当たっては、レオンやラルフが出処を知らない資金を惜しまず費やした。
レオンが町の外へ出る意志を示した際、ラルフとともにフィリップも代わりを申し出たものの、反対にあって断念した。
移住の理由は、ローズが語らない限り口外する気がない。
アーノルド・ケインズ
Arnold Keynes
幼い頃から姉メイヴィスに視覚的な異常があったため、彼女については他の家族に比べるとありのまま受け止めている。
朗らかで人懐っこく、家族に対しては多少甘えた様子があるが、同世代の男子よりそつのない社交性があり、相対的に同世代の女子から好かれている。
レオンやラルフほどがさつではなく、ラルフやバレットほど偏屈でもなく、兄弟の中では最も素直で穏やか。
親世代の移住の理由、兄達の神霊にまつわる過去の問題など、不穏の存在は察しているが口には出さずにいる。
また、〈沼地〉への移住世代とは感覚が変わっており、式士に対してさほど偏見がない。
バレット・ケインズ
Barret Keynes
子供の頃は兄達の後をついて回っていたが、彼らの遊びについてはいけない臆病で、泣き虫バレットと呼ばれていた。
兄と違い子供のうちに文字を学ぶ機会があり、当地の中では知識欲が旺盛な方。外部からの訪問者があると言動を観察したり、話しかけるなどして外の情報を得ようとする。
数の限られた書籍や新聞を何度も読む、楽器を好むなど、兄達とはほとんど趣味が合わない。
メイヴィスが生まれて以降は、荒っぽい兄達の遊びから徐々に距離を置き、妹を猫可愛がりするようになった。妹にいたずらをする子供に仕返しするなどしているうちに、泣き虫を返上。
現在は理屈っぽくやや無愛想な皮肉屋で、売られた喧嘩を派手に買いすぎて叱られることもあるが、いずれも根本的には変わっていない臆病さの反転である。
マギ
Magi
南の〈門〉の当代鍵守。鍵名である『マギ』以外の素性は一切不明。歴代の中では比較的長く任についている。鍵名が複数形のため複数人が共有する名ではないかという憶測があるが、過去にそのような事例はなく、マギについても〈門〉は公式に否定している。